「ガラス乾板」からの複成

ガラス乾板
今回お持ち込みいただいたガラス乾板。ダメージはありますが、お顔部分は救えそうです。

皆様のお手元に「ガラス乾板」はないですか?

ガラス乾板(写真乾板とも言います)は、明治20年(1887年)代~昭和30年(1955年)代頃まで使われていたそうです。
ということは…
写っている画像もその期間のもの。
当時の人々の髪型や服装、暮らしぶり、街の風景 等がそのまま写っているので貴重な歴史的資料と言えます!
皆様のご先祖様の様子を伺えるかもしれません!

ただ、ネガ画像(陰画とも言います)で記録されていますので…。
そのままでは何が写っているのか…?
判別するのはなかなか困難です。
なので、ポジ化(陽画化とも言います)して当時の様子を見てみましょう!
「なんだか良く解らない」といって処分するのはちょっと待って~!(^▽^)

背景に黒い紙を敷くと、陽画(ポジ)として見ることができます。 どんなお写真なのか、様子はわかりますね。

貴重な「ファミリーヒストリー」が、そこにあるかも?

なんだかワクワクしませんか?

ガラス乾板は文字通り、ガラスであるが故に落とすと割れることが最大の欠点です
しかしながら、撮ったものは耐久性、保存性、クオリティーに優れ、色褪せることがありません。
平面性が高いので「フィルム」としてはかなり優秀です。

使用されていた時代では、「写真を撮る」ことが現代のように人々の日常にはありませんでした。
写真撮影はかなり特別なイベントだったと推察されますし、
カメラやこのガラス乾板も専門家でないと扱いきれなかったでしょうねぇ。

そういった理由から、世の中に現存するほとんどの「ガラス乾板」はプロが撮影・現像処理を行ったものと思われます。
それ故にクオリティが非常に高いものが多いです。

当店にお持ち込みいただく「ガラス乾板」も、長期の保存による膜面の傷や損傷はありますね。
でも、写っている画像そのものが非常にシャープなことにはいつも驚き!です!
写真屋としては、撮影者の気迫というか使命感というものに思いを馳せることに、とても楽しみを感じています。
どんな機材(カメラ・三脚)だったんだろう?…
どんな思いでシャッターを切ったのだろう?…

今回、上のガラス乾板からお写真に複成しました。 修復はお顔周りだけにとどめています。

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創業103年 京都中尾写真場
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